消費者対応研究会(カスタマー研) 2014〜15年度研究活動テーマ
「企業への伝え方」について

 消費者対応研究会(通称:カスタマー研)では広く消費者の皆様に対して「企業への要望・意見の伝え方」を発信する研究・準備活動を現在行っています。

1.研究活動の経緯

 カスタマー研では今まで、顧客応対者の資質向上、応対部門の社内での発信力向上を活動の中心に据えてきました。お客様の声の検討は、既に寄せられた内容に対してでした。
 そのような中で以前、顧客応対部門に関するアンケートを研究会でとったところ、3分の1の方が「企業への相談経験がない」という結果が出ました。このことから、相談しないことによるお客様の不満足と共に、企業側の損失も大きいのではないか、という問題意識が生まれました。私たちは、お客様とWin−Winの関係を構築するためには、応対者のスキルアップだけでなく、お客様にも「上手に申し出ていただくスキル」が必要なのではないかと気づき、お客様に「企業への伝え方」を知っていただくための研究活動をスタートさせました。
 企業に対してどのように申し出をすれば良いのか知っていただくことで、相談自体への心理的なハードルを低くし、「伝えきれた」と感じていただけるようなアドバイスを発信します。

2.活動名称

 この活動は分かり易く簡潔に、「企業への伝え方」というタイトルを使用しています。

3.発信方法の概要

いつ 申し出をする直前に見ていただくイメージ
どこで インターネットホームページもしくはパンフレット
誰に 今、企業に伝えたい事がある方、しっかり伝えたいと考えている方
何を 事実と気持ち両面で考えを伝えきる為の方法、並びに応対者からお客様へのメッセージ
どのようにして シンプル、かつ絵や事例を用いて分かり易く気軽に読める内容とする
どうして 多くのお客様が、必要な時に、まずは気軽にお申し出いただき、「伝えきれた」と実感していただくことで、相互の信頼関係を構築する手助けとする為

4.発信内容の編集方針について

気軽に読めて、「すぐ使える」ものとなるように工夫を重ねています。

ポイント@:シンプル

問い合わせる直前に手早くご確認いただくため、確認ポイントは5つにまとめました。

ポイントA:分かりやすく

ポイントの説明は事例を挙げてイラスト入りのドラマ形式で説明。自然にポイントの大切さを気づいていただけるよう、事例自体にポイントの解説を盛り込むことにしました。

ポイントB:窓口を身近に感じていただく

伝えるポイントというノウハウだけではなく、応対者からお客様へのメッセージも紹介。窓口の応対者の想いを知っていただき、気軽に相談していただくきっかけづくりを行います。

5.主な内容

(1)「企業への伝え方」5つのポイント

企業へクレームや意見を申し出する際のポイントを5つ挙げ、心構えや事前準備のコツを説明します。

(2)事例の紹介

5つのポイントをカスタマー研会員の体験に基づく事例ドラマにて解説。
事例ドラマの文中にポイントの解説を盛り込むことで、読者が自ら気づきが得られるよう工夫しました。素朴な疑問から重クレーム事例まで十数篇作成しました。

(3) 企業へ「確実に伝える」為のチェックシート

企業への申し出前に事前準備出来るチェックシートを作成しました。
特に必要だと思われる項目のみでシンプルに構成しました。

(4)応対者からのメッセージ

応対窓口で活躍するメンバーからのメッセージを発信。
それぞれの個性が出るように、書式は自由として応対者の体温が伝わるようなコーナーを目指しています。

6.今後のスケジュール

 研究成果発表会でのNACS会員の皆様からのご意見・ご感想を踏まえ、適宜修正のうえ、近日中にホームページでの発信を目指します。
 内容は、雑誌のように逐次更新・内容の充実を図りながら、より多くの方に読んでいただけるように、冊子版の作成にも取り組んでいきます。

7.カスタマー研から皆様へ

 この「企業への伝え方」は、消費者の皆様へ向け、企業へどのように申し入れをしたらより良く伝えられるかを提案するという、従来にない新しい取り組みです。
 私たちは、多くの方からご意見・ご感想をいただき、多くの方にとっての「お役立ち」情報の発信を目指していきたいと考えております。本日の展示をきっかけに、今後とも忌憚のないご意見をお寄せいただきますようお願い申し上げます。