私は電機メーカーに勤務し、家電品のお客様相談業務を担当して約3年になります。
今年4月東京に転任後は、全国の苦情のみを対応する専門部署として毎日心の汗を流しています。

この仕事を担当する前は営業企画部門が中心でしたので、専ら「売上」や「粗利」を追求し取引先との関係に力を注ぐ日常でした。それはそれで神経を使うこともありました。しかし、今の仕事に就いて不特定多数のお客様への対応する中で感じることは、価値観の違い・・・

というか「自分の常識と世間の常識、お客様の常識」がこんなに違うのかと驚くことが多いのです。(他の方もこのコラムで同じことを仰っていましたが)

取引先とは長いつきあいの中で、利害はあっても持ちつ持たれつで協調や妥協する場面もありますが一般のお客様の場合は製品面にサービス面に大変厳しい姿勢で臨まれるので、対応を誤ると大変です。(社長を出せ!責任者を出せ!・・・他)ですから自然とストレスも溜まります。

こうした状況で私が意識していることは、苦情申立のお客様の現状を頭の中で描いて困っておられる姿をイメージするよう心がけており、そうして事実関係をしっかり把握するよう努めています。

その上でこちらの責任でご迷惑をお掛けしたのであれば、親切・迅速対応で対処すべく関連部門と連携を図ります。月並みな言い方ですが、お客様からの情報(特に苦情)は我が身を振り返るためのシグナルであり、明日の向けての貴重な情報も沢山含まれています。

消費者対応窓口とかお客様苦情窓口は世間一般から見て「大変な部署」「我が子にだけはさせたくない仕事」などよく耳にしますが、よく考えてみればお客様対応は「究極の営業」と思います。怒りや不満、戸惑い・・・を感じているお客様と向かい合い、解決を図ることは「真の営業活動」そのものと私は思っています。

これからもさまざまな場面があるでしょうが、前向きに努力して行きたいと思います。
私のこの業務を通じてのつたない感想です。


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 消費者対応は究極の営業活動
 粟村 滋 24期消費生活アドバイザー 
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