最近、ちょっとした気づきから私に起こった、嬉しい変化についてお話しします。

私はAV機器メーカーお客様ご相談センターの一次相談員です。この仕事について数年、幸いにも大きな失敗もなく過ごしてきましたが、内面では未だにご相談業務への恐怖感が消えず、満足のいく応対になっていないと常に感じていました。そしてそれは、自分の性格のせい、適性がないからだと半ばあきらめていました。

或る時、私は弊社商品をご利用の、あるご年配の男性のご相談を承りました。その方はお使いの商品をかなり熟知しておいでで、几帳面なご性格の上、商品への理想も高く、取扱い方法や取扱説明書のわかりにくい部分を細かくご指摘されました。ところが、四苦八苦しながらも対応が終盤になったとき、“気難しい”このお客様の口調が急に変わり、「いやぁ、先日違う機器の相談で○○さんに対応して貰ったけどとても満足したよ。声もきれいだったけど、きっとお顔も美人だと思うなぁ〜」と明るくおっしゃったのです。○○さんは、日頃から職場内でも常に笑顔を絶やさず、お客様からのサンキューレターもたくさん寄せられる方です。きっと先ほどのお客様も 電話中に○○さんのあたたかい笑顔を想像され、心が和らいで行ったのだと思います。どちらかというと不機嫌なお客様を、上機嫌にまで変えてしまうには、適切な対応は言うまでもありませんが、真のポイントは、“声の笑顔”にあったのだと改めて確信しました。

私の今までの対応は、お客様に失礼のない様な丁寧な言葉遣いと折り目正しい応対を心がけるあまり、返ってお客様のハートを遠ざける結果になっていました。そこで、この際今までのやり方は忘れ、以下に集中することにしました。

@     第一声は、明るい声にウェルカムな気持ちを込める。この時、口角を上げるだけでなく目も笑って発音する。 

A     お客様の声や話し振りから、そのお顔立ちや表情を想像し、思い描いたそのお顔に向かって話しかける。(これは、自分からお客様に一歩近づくための苦肉の策です)


たった2つを実行しただけですが、不思議なことに、いままでと全く同じことをご案内しているのに、お客様からのリアクションが劇的に良い方向に変わり、すがすがしく終話出来るようになりました。また、今まで自分の中にあったお客様への不安感がなぜか消え去り、いままでつかえていた言葉までスラスラと出てくるようになったのです。これは自分でもびっくりの脳内変化でした。

これに気を良くして、最近は日常生活でも常に笑顔を意識しています。面白いことがあれば人間はすぐに笑えるのですが、自分から笑顔を発信しつづけることは以外に大変です。今までは表情というものにいかに気を配っていなかったかを実感します。口が“への字”では笑顔が作りにくいので、通勤途中もちょっぴり口角を上げて笑顔の準備。そうするだけで、街を歩いていてもなにか楽しいことはないかしらんという明るい気分になります。

笑顔の研究によれば、たとえ作り笑顔であっても、笑顔によって脳が刺激され本当に楽しい気分になり、その上α波もでてリラックス状態になるとのことです。まさに素晴らしいメカニズムですね。

 “笑う門には福来たる”

今ごろになって笑顔の効用に気づいた私ですが、今年は周りの皆さんにも福を届けられるような笑顔をたくさん発信していきたいと思っています。(^o^)丿

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笑顔の効用
山崎 由紀子 第25期消費生活アドバイザー
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