こんにちは!東京電力(株)多摩カスタマーセンターで日々電話応対をしている安田と申します。よろしくお願いします。

今回は、私がカスタマーセンターに配属になった際に受講した「受付応対研修」の中で聞いた話をさせていただきたいと思います。

私がカスタマーセンタ−にきて電話応対をするようになったのは、まだほんの1年前のことです。それまでは電気料金関係の仕事をしており、日々電卓を叩いている職場でした。

お客さまと直接接する仕事に就きたい!と本気で思うようになり、その気持ちを形で表す為に消費生活アドバイザー資格取得の勉強を始めました。幸か不幸か2次試験の直前に辞令をもらい、カスタマーセンターへやってきました。アドバイザーの2次試験が気になりながら受けたこの「受付応対研修」で、思わず涙がこぼれてしまった素敵なお客さまサービスのお話です。このお話を人に話そうとするといまでもつい泣きそうになってしまい、今回も書きながらきっと目に涙がたまってしまうと思います。

東京ディズニーランド。この場所に行ってイヤな思いをする人はあまりいませんよね。そこで働く人はキャストと呼ばれる「演出のプロ」です。非常にきっちりした教育を受け、茶髪もロンゲも一切禁止!遵守できない者は即日クビという徹底ぶりなのです。あのなんとなくトークしている感じのジャングルクルーズも、A4で20枚以上の台本があるそうです。さすがプロ集団、どこのアトラクションも完璧なプロの演出です。

さて、そのディズニーランドの中の、あるレストランでの出来事です。

一組の初老のご夫婦が入っていらっしゃいました。特にお連れの方がいらっしゃるわけではなく、お二人でした。お席にご案内し、御料理をご注文されました。その時ご夫婦お二人分のお料理ともう一つ、お子さまランチをご注文されたそうです。ウェイトレスは思わず、もうひと方いらっしゃるのですか、と聞きました。するとご夫婦はおっしゃいました。昔、ご夫婦のたった一人のお子さまと3人でディズニーランドにきて、同じものを頼んだ。その日がとても楽しかった。でもそのお子さまはご両親よりも先に天に召されてしまった。悲しみに暮れていたが、3人の楽しかった思い出をもう一度やってみたくてここに来た、と。

そのウェイトレスは静かにそこを立ち去りました。そして次に来たとき,なんと子供用の椅子を持ってきて、そのご夫婦の横にそっと置いたのです。お子さまランチを食べていたご夫婦のお子さまのための椅子を。

そんなことはマニュアルにもどこにも書いてありません。そのウェイトレス自身の心がそうさせたのです。人の心が自然とそうさせた。ご夫婦はそれはそれは喜び、感謝したそうです。その日の出来事は、きっと新しい嬉しい思い出になったことでしょう。

こんな風に人のことを自然に思いやれたらどんなに素敵なことか、と改めて思いました。人間と人間、ひととひと。人が人にしかできない優しさや思いやり、それを自然にやることが真のサービスに繋がるのではないかと思います。・・・やっぱり涙が出てきてしまいました。

東京電力ではカスタマーセンターで電話受付をする者のことを「クリエーター」と呼びます。「お客さまの満足を創造する者」という意味を込めているのです。私はその呼び方がとても好きです。素敵なサービスに感動した気持ちをいつも心の中に入れて、毎日一本一本の電話を一生懸命受ける。毎日の応対が、ほんの少しでも変わる気がしました。

私たちは「電話応対のプロ」だから。 

私たちにできることはたくさんあります。私たちにできることを探して行きましょう。

・・・今年も楽しくて心温まる一年になりますように・・・

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私たちが出来ること 
安田 由峰子
第25期消費生活アドバイザー
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